加工油とは
加工油とはその名の通り、基油(鉱物油や合成油)を精製・混合して、添加剤(※1)などを加えることによって用途別に加工された油のことです。切削加工油、プレス加工油、熱処理油、防錆油など、様々な用途に合わせた加工油があります。加工油はそれぞれ、摩擦を防ぎ潤滑性を持たせることができたり、熱を冷ますことができたり、錆を防ぐことができます。
※1 添加剤・・・加工油にするための添加剤には次のようなものがあります。
・界面活性剤
・錆止剤
・カップリング剤
・防腐剤
・非鉄金属防食剤
・極圧添加剤
・消泡剤
・キレート剤
・着色剤
・香料
など
油性加工油と水溶性加工油
加工油には、油性加工油と水溶性加工油があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
*油性加工油
鉱物油や合成油を混合したり、添加剤を加えたものを「油性加工油」と言います。
<メリット>
・加工による錆が出にくい
・摩擦が少ない為、加工がしやすい など
<デメリット>
・洗浄に溶剤を使用する為コストがかかる
・発煙、火災の虞がある など
油性加工油のSP値は7程度の為、洗浄の際は同程度のSP値を持つ炭化水素系洗浄剤が適しています。
*水溶性加工油
基油と水を特殊な方法で混ぜ、添加剤を加えたものを「水溶性加工油」と言います。
<メリット>
・水と混合している為燃えない
・加工油の洗浄が水でできる など
<デメリット>
・水が入っているため乾きが遅い
・金属加工に使用すると錆の原因になりうる など
水溶性加工油の中で代表的なのが「水溶性切削油」です。水溶性切削油には大きく分けて3つのタイプがあります。
・エマルジョン型・・・水に溶けない成分(鉱物油など)と界面活性剤からできていて、水に加えると外観が乳白色化します
・ソリューブル型・・・界面活性剤が主成分で、水に加えると外観が半透明ないし透明になります
・ケミカルソリューション型・・・水に溶ける成分(有機アミンなど)からなり、水に加えると外観が透明になります