メタルクリーナーW-19
水置換剤 水切り剤
特化則 有機則 各非該当
通常の溶剤
メタルクリーナーW-19
特徴・メリット
①経済性に優れる
本製品は繰り返し使用できるため、経済的です。
②水滴を素早く除去、短期防錆の効果も
本製品はワーク表面に付着した水分や水溶性加工油を素早く分散し、除去することができます。それによって、短期工程中の錆発生を抑制する効果が期待できます。
③除去した水滴は容易に洗浄槽から取り出しが可能
ワークから除去した水滴は細かな粒となって洗浄槽底部に溜まるため、洗浄槽から水分を容易に取り出せます。
④洗浄効果
炭化水素系の洗浄剤の特性を持ち、軽い汚れの洗浄や脱脂が可能です。
使用方法
金属加工時に起こる洗浄不良
水溶性加工油を洗浄する場合、洗浄剤によっては乾燥後、写真のように白い固形物が付着する場合があります。
◆一般的な洗浄剤↓
◆メタルクリーナーW-19↓
一般的な洗浄剤で白いものが残ってしまうのは、加工油中にある極圧剤などの添加剤成分が洗浄されずに残ってしまうためだと考えられます。
一方、弊社のメタルクリーナーW-19で水溶性加工油を洗浄すると白い付着物がないことが分かります。水置換剤が添加剤成分を含んだ水分ごと基材から分離するためです。
※水溶性加工油の成分、洗浄条件等により水切り剤を使用しても付着物が残る場合があります。事前テストの実施を推奨します。
物性
メタルクリーナーW-19 |
|
外観 | 無色透明 |
沸点 | 177℃ |
引火点 | 42℃ |
消防法 | 第四類第2石油類
(非水溶性) |
特化則 | 非該当 |
有機則 |
加工油とは
私たちの身の回りにある多くの人工物は、切ったり削ったり、プレスしたり、穴をあけたり、型出ししたりされて作られています。
加工油は、金属を上のように加工する際に活躍します。
上の記事で、『加工油はそれぞれ、摩擦を防ぎ潤滑性を持たせることができたり、熱を冷ますことができたり、錆を防ぐことができます』と書きましたが、
加工油は主に、金属を加工するときに使う工具や工作機械の寿命を延ばす目的で使われます。
加工油の分類と洗浄剤
「溶剤お役立ち便覧;油について①」の記事の通り加工油は、潤滑性や抗溶着性に優れた「油性加工油」と、引火の危険性がなく冷却性に優れた「水溶性加工油」に分類されます。
金属が目的の形になった後は、「油性加工油」も「水溶性加工油」も洗い落とす必要があります。
加工油と洗浄剤の相性
上で分類した2タイプの加工油ですが、油性か水溶性かで洗浄剤も使い分けます。
油性タイプでは主に、下記のタイプの洗浄剤を使います。
- 水系洗浄剤
- 準水系洗浄剤
- 炭化水素系洗浄剤
- アルコール系洗浄剤
- 塩素系洗浄剤
- 臭素系洗浄剤
一方、水溶性加工油での洗浄剤は下記の3種類です。
- 準水系洗浄剤
- 炭化水素系洗浄剤
- アルコール系洗浄剤
- 水系洗浄剤
今回は、油性加工油も水溶性加工油も落とせる
「準水系洗浄剤」
「炭化水素系洗浄剤」
「アルコール系洗浄剤」
の3タイプについて、お話していきます。
それぞれの洗浄剤の特徴
油が油性か水溶性かで洗浄剤を使い分ける、と申し上げましたが、洗浄剤を選ぶポイントはそれだけではありません。
それぞれの洗浄剤の特徴を活かせるシーンや用途を見極めることが大切です。
◎準水系洗浄剤
【メリット】
●高精度の洗浄ができる
●多くの金属や樹脂系素材に対応可能
●安全性が高い
●非危険物タイプの洗浄剤では、超音波洗浄機との併用により洗浄効果が向上する
【デメリット】
●排水処理の負担が大きい
●金属に対して防錆対策が必要
●ランニングコストが高い
●再生使用が困難
●可燃のものは消防法上の管理が必要
●非危険物のものは水分管理が必要
◎炭化水素系洗浄剤
【メリット】
●油分溶解力が強い
●毒性が低い
●金属に対し、腐食・錆の心配がない
【デメリット】
●引火性があり、消防法上の管理が必要
●固形物の汚れには不向き
◎アルコール系洗浄剤
【メリット】
●浸透性がよく細部の洗浄が可能
●毒性が低い
【デメリット】
●引火性が高く、消防法上の管理が必要
●油分溶解力が小さい
●吸湿性があるため、水分管理が必要
【補足記事】水置換剤について